帰化申請の要件の一つは日本語能力です。帰化を考えている方はこれぐらいの日本語を読めるのが当然なので、日本語で記載させていただきます。①日本人配偶者で、日本でしか婚姻の届出をしていない 婚姻手続はご夫婦それぞれの国で行うことが望ましいことですが、日本だけの手続になっている場合も多数見受けられます。 実情としては、どちらか一方の国での婚姻証明があれば基本的には認められます。 ただし、面接の時に事情を聞かれる可能性はご夫婦ともにありますし、自宅調査もありますので、結婚の実態をきちんと証明できるようにしてください。 なお、日本だけで婚姻手続をしている場合は、必要書類の一つである日本人の戸籍謄本で婚姻を証明できます。 ②在日韓国人の場合で、本国で証明書類が取得できなかった こうした状況では、・ご両親はじめ尊属の方が領事館に届出をしていない ・本国の役所で戸籍が抹消されている この二つの可能性が考えられます。 実際にパスポートを取ろうとして本国に籍がないことを知り、領事館に戸籍登録された方も多いと伺っております。 パスポートをお持ちでない方は、一度本国に籍があるかどうかを確認される事をお勧めいたします。 ③外国人夫婦のうち、一方だけが帰化をする 外国人夫婦の場合、帰化は基本的にご夫婦での申請が望ましいとされています。(以前は認められなかったようです) しかし、それでも夫婦のうちの一方のみが帰化申請をするという理由がはっきりとしたものであれば、認められる場合もあります。 面接時に確認されますので、一方だけが行なうという理由をきちんと説明できるように前もってまとめておきましょう。 ④帰化申請の面接で聞かれる事 面接では、帰化の動機、申請書に書かれている内容について確認されます。 また、「帰化の動機書」を提出している人は、その動機書を読むこともあります。一般的には生活実態を確認するため、「法務局で面接」⇒「自宅訪問」という流れになっています。 ご夫婦の場合、配偶者の方にも面接があります。主に夫婦関係、日常生活に関しての質問が多いです。 法務局に申請書を出す前に、コピーを取っておいて、面接前に確認することをおすすめいたします。 ⑤出生届に父親の名前がなく、認知届がある場合 帰化にあたり重要な事は、ご本人の日本戸籍の作成にあります。 両親から受け継ぎ、将来のお子さんへ伝えて末永く続く血縁の証明をつくるとても重要な作業となります。 父親と母親が認知後すぐに結婚していれば、婚姻届出書のみで事足ります。しかし、入籍時期が大きくずれ込んでいる場合には、兄弟姉妹の出生届書が必要になる場合もございます。 これは、父・母・兄弟姉妹の家族関係を整理し、戸籍にどのように反映させるかを検討する材料になります。 ⑥申請中に婚姻し、身分関係に変化が生じた場合 帰化の申請中に婚姻するなどして身分関係に変化が生じたときも、やり直し等にはなりません。 提出済みの書類の差替えや、配偶者に関する書類等、変化した身分関係に関する書類を追加提出することで継続していきます。 ※ただし、申請中に離婚した場合、申請を取り下げてくださいと言われる可能性が高いです。 ⑦履歴書での転居歴の書き方 帰化申請においては、それまでの居住歴を記さなければなりません。しかし幼いころから引越しを繰り返しており、幼年期の住所など記憶が曖昧だという方もいらっしゃると思います。 そうした場合は、基本的に覚えている範囲で転居歴を記していく事となります。 申請書類の全般に言える事ですが、不明な点があるからといって、でたらめな内容で書面を埋める事は、審査に悪影響を及ぼすため、おすすめいたしません。 ⑧内縁関係の人物がいる場合 たとえ婚姻しておらずとも、生計を共にしている場合には内縁関係の人物や婚約者の身分を証明する書類が必要となります。 帰化申請そのものは個人単位での審査ですが、生計に関しては世帯を一単位として考えられます。 ⑨プロスポーツ選手など、通常の給与形態と異なる場合 プロスポーツ選手などの場合には、収入の安定が無いという事で、帰化審査において指摘を受ける場合もあります。ただし、決して収入の安定面だけで帰化の可否が判断されるわけでもありません。 スポーツ選手などの場合でも、預貯金や経済基盤がしっかりしていれば許可されるようです。 なお、日本代表やそれに順ずる経歴があれば、そうした面も併せて評価される事もあるため、スポーツ選手等が一概に帰化申請で不利というわけではありません。 ⑩帰化と永住の違い 永住では国籍は元のままで日本に住む事ができ、帰化ならば日本人として日本に住む事になります。 どちらも半永久的に日本での在住が可能になるという点では共通しているため、日常生活においては大きな差はありません。 しかし、帰化した場合ならば日本国籍となっているため、元の母国へ渡航する際にはビザの取得が必要になったり、永住では日本国籍を持たないために、参政権にも制限がかかるなど、明確な違いも確かに存在しています。