拝啓。世界の終わりの日、平和に過ごしました。先輩、お元気ですか。今日はボランティアの仕事をしました。子供を教えるのは本当に面白いです。今日の気温が零下二十度ぐらいだそうですけど、そんなに寒くありません。日本に行ったら家庭教師をしたいです。時給が高いですから。来年の夏休みに日本で旅行したいですので、貯金しないとはいけませんね。今日は週末ですから、小説を一冊読みました。<先生のカバン>という、女流作家が書いた本です。その物語は、大町月子という女性が高校時代の国文の先生と再会して、だんだん仲良くなって、最後に付き合って来た、という幸せな三年間のことです。先生は国文専攻ですから、話し方はとても優しくて、姿も優雅です。月子は会社員で、感受性が繊細です。二人はよく居酒屋でお酒を飲みます。食物の好みが一緒で、話題も広く広けます。最初、月子は、「先生の気性を理解しきれない。」と思って、微妙な距離を保ちました。でも、少しずつ、デートするとか、菌を取りに行くとか、いろいろなことをして、思い出を作ってきました。喧嘩も冒険もしました。嫉妬も寂しさも感じられました。最終、梅雨入りの嵐の夜、月子は酔で告白しました。小説の最後には、二人は幸せを確認して、付き合いました。先生がある日なくなっても、先生の息子さんはカバンを月子に送りました。月子はカバンを開いて、すべての記憶が空っぽのカバンから流れてきます。素晴らしい愛情だと思います。先輩はどう思いますか。ところで、最近「ラブソング」を聞いています。先輩の優しい声がずっと私の耳元で響いています。もう一度聞きたいと思いますけど。暇があったら、また一緒に遊びに行きましょう。来週日本に戻るKさんにご挨拶を伝えてください。敬具。 20121222なみだ