多数の負傷者は世界初、衝撃波で広範囲に被害2013.2.15 22:17 [自然災害] 国立天文台によると、地球には多くの隕石(いんせき)が落下しているが、多数の負傷者が出たのは記録に残る範囲では世界初とみられる。大きな隕石が高速で大気に突入した際に衝撃波が生じ、その影響で空気が振動して広範囲でガラスが割れたとみている。隕石は太陽系の小惑星などを起源とする小天体で、岩石や鉄などが主成分。宇宙空間を漂いながら軌道を変えて地球に衝突する場合がある。ごく小さいものは大気中で燃え尽きて流星になるが、大きいものは燃え残って地表に落下する。 隕石による被害は民家の屋根に落ちたケースなどがあるが、人的被害は約60年前、米国で隕石に当たった人の報告が1件あるだけで、けがの有無は不明。国立天文台は「明確な負傷者の報告は今回が初めてではないか」としている。 隕石は地球に頻繁に落下しており、直径10センチの隕石は3~4日に1回、同1メートルの大きなものは年に1回ほど落ちるという。落下の総重量は流星を含め1日当たり25~100トンに及ぶと推定されているが、海に落ちる場合も多く、被害が出るのはまれだ。 隕石落下を事前に予測するのは難しく、2008年に世界で唯一の成功例があるだけで、今回も予測されていなかった。16日に地球に接近する小惑星との関連性については、専門家の間でも見解が分かれている。