生于地震,死于地震 【上海・隅俊之】中国・四川省雅安(があん)市で発生したマグニチュード(M)7・0の地震で、2008年の四川大地震の翌日に生まれた4歳の女の子が死亡した。母親は「地震を逃れ、災難はもう一生ないと思っていたのに。彼女の一生はやはり地震から逃れられないと誰が思っただろうか」と悲しみに暮れている。 四川省のメディアによると、亡くなったのは雅安市蘆山(ろざん)県の王延霞(おうえんか)ちゃん。母親は08年5月12日に帝王切開で出産の予定だったが、その日に四川大地震が発生した。蘆山県でも激しい余震が続き、翌日に生まれた。 しかし今月20日朝に起きた地震で、家族と走って家の外に逃げようとしたところ、倒れてきた壁に頭を打って死亡したという。 お絵かきと踊ること、リンゴを食べること、そして可愛い模様のついたスカートをはくのが好きだった。10歳の兄は黙って母親に抱きついている。兄は記者に「勉強をがんばる。二度とネットカフェに遊びには行かない」と言ったという。中国版ツイッター「微博」には「地震に生まれ、地震で世を去った。まだこの世界が美しいと知らずに。ただただ、安らかに」と哀悼の意を示す書き込みが続いている。