福島第一原子力発電所で爆発や火災が相次ぐなか、東北地方などで、ふだんよりやや高い放射線の数値が計測されていますが、いずれも健康に影響が出るレベルではないということです。福島県では県内の7か所で放射線の計測をしており、このうち原発から北西に65キロほど離れた福島市では16日午前0時に1時間当たり21.4マイクロシーベルトと通常の530倍余りの放射線を計測しました。また、原発から南におよそ70キロ離れた茨城県の北茨城市では、16日午前11時40分ごろ、通常のおよそ300倍となる1時間当たり15.8マイクロシーベルトを計測しました。これらの数値の放射線を1時間浴びたとしても、胃のX線検診で受ける放射線量のおよそ30分の1から40分の1で、健康に影響が出るレベルではないということです。このほか、宮城県の一部で通常の40倍余りの放射線が計測されたほか、新潟や群馬、栃木、埼玉、千葉、神奈川、それに東京の7つの都県で通常より僅かに高い放射線の数値が計測されました。これらの都県で計測された1時間当たりの放射線の量は、高い数値でも一般の人が1年間に浴びてよいとされる200分の1以下で、それぞれの自治体は、健康に影響が出る数値ではないとしています。これについて放射線影響研究所の長瀧重信前理事長は「いずれの場所でも、ふだんどおりの生活をしていても、健康に影響が出る放射線の量には達しないので、安心してほしい」と話しています。1シーベルト(Sv)=1000ミリシーベルト(mSv)=100万マイクロシーベルト(μSv)微量なら人体に影響はありません。これまでに最大時の量が平常値を超えていた1都7県のうち、山梨、静岡が平常範囲に戻り、東京(0.361マイクロシーベルト)なども数値が低下した。 一方で、今回初めてデータが集計された宮城(0.199マイクロシーベルト)、茨城(1.035マイクロシーベルト)のほか、山形(0.114マイクロシーベルト)、長野(0.107マイクロシーベルト)が新たに平常値を上回り、1都9県で通常より高い値を記録した。